整体
整体とは、文字通り「体を整える」ことです。
それでは、整体は「体の何を整える」のでしょうか?
「体を整える」ということには、2つの意味があります。
体質(体癖)
整体 ・・・ (体) <
体の歪み(体縮)
1. 体質を整える
2. 体の歪みを整える
普通に整体というと、体の歪みを整える意味として理解されているようですが、力学整体ではどちらの意味も含めて考えています。
どうしてかというと、体の歪みだけを整えただけでは、体全体のバランスを整えることにはならないからです。
まず、体の歪みを整えながら体質をも整えるということをしないと、また施術前の元の状態に戻ってしまい、どうしても表面的な治良(治療)になってしまいます。
一般的な整体では、体の歪みというものを主として骨格の歪み(関節のズレ)や外見的な体形のゆがみ(体型)、姿勢の悪さとして捉えていますが、力学整体では身体内部の体縮を体内のゆがみとして捉えています。
そして、体質は体縮が慢性化して癖になった状態として捉えています。
体質
それでは、体質とは何でしょうか?
「体質は両親からの遺伝なので仕方がない」と思い込んでいませんか?
けれども、体質には、大きく2つの意味があります。
1. 先天的体質…これは生まれつき持っている体質です。
2. 後天的体質…これは生まれてから後に獲得する体質です。
この体質というのは、何で決まるのしょうか?
先天的体質は、遺伝によってです。
後天的体質は、生まれてきてから行なってきた行為によってです。
ですから、体質における遺伝の要素は半分です。
確かに体質は、遺伝によって受け継ぎますが、遺伝というより「環境」の影響による部分も半分はあると言うほうが適切です。
つまり、「遺伝」50パーセント、「環境」50パーセントということです。
というのも、後天的な環境のもとで、ある特定の偏った生活習慣をまるで遺伝のように獲得することで、このような生活習慣が伝統的に繰り返し続くと、その結果として体質が形成されていくのです。
したがって、後天的体質においては、行為の結果が、現在の体ということになります。
体質というと、何だかわけがわからなくて、モヤモヤとした感じがしますが、後天的体質というのは、自分が生まれてから行なってきた行為によって作られているのです。
そうすると、体質というのは、自分が現在まで何をしてきたかによって変わってくるわけです。
そのことが、整体における体質というものを考えるうえで一番大事なことです。
体質というのは、先天的要因が50パーセント、後天的要因(生活習慣)が50パーセントの総合です。
この後天的要素を努力することによって改善すれば、体質や体の歪みは半分以上改善されるというわけです。
そうすると、行為というものを考えることによって自分の体質を変えることができることがわかるはずです。
力学整体は、「体質は宿命だから仕方がない」と諦めるのではなく、自分の努力で体質や体の歪みを改善するノウハウを公開している方法なのです。
そこで、これまで生まれてから自分で行なってきた行為には、どういうものがあるを考えてみると、自分が行なっている生活習慣として最低限以下の4つがあることに気がつきます。
1. 呼吸
2. 食事
3. 運動
4. 精神活動
この4つの行為は、どれもがとても重要なものばかりですが、この中で、力学整体は運動面を中心に考察し、体質とか体の歪みを捉えています。
力学整体では、運動面から捉えた体質のことを、特に「体縮」とか「体癖」というふうに呼んでいます。
そのほうが、そのものズバリと言い当てており、何よりもストレートに理解しやすいからです。
そうすると、運動を考えることによって体質を変えることができるということがわかりました。
もっとも、運動というと何やら激しい動きをともなったスポーツなどを連想してしまいますが、これは身体運動のすべてを含んでいるのであって、たとえば日常生活の動作とか姿勢などもここでいう運動に当たります。
力学整体では、この運動で体質がよくなった後で、体のバランスがとれてきます。
身体バランス
では、体にはどういうバランスがあるのでしょうか?
これは、体というものを3次元で考えるといいです。
1. 左・右
2. 前・後
3. ねじれ
体のバランスには、この3つがあります。
そして、この3つのバランスには、それぞれ反対方向が一対ずつありますから、体の歪みには最低でも大きく6つのパターンがあることになります。
それでは、なぜ体のバランスがくずれて歪むのでしょうか?
筋肉の凝り(こり・コリ)
これには、「凝り」が大きく関係してきます。
これが以外と重要というよりは、ほとんどこれによって説明ができます。
それでは、筋肉の凝りは、なぜできるのでしょうか?
一般的には、
1. 姿勢が悪い
2. 運動不足
3. ストレス(悲しみ、不安、絶望感)
4. 使い過ぎ
5. 冷え
6. 外傷(打撲)
7. 体表内臓反射
などが挙げられます。
力学整体では、さらにこの「凝り」の問題を追及していって、これ以外にも、もっと深刻な原因を解明しています。
そこで、力学整体では、こりの問題を重視し、こりのことをコリとカタカナで表記して、これらの一般的な凝りと区別しています。
この問題については、くわしくは本文のほうで説明してありますので、そちらのほうをお読みください。
さて、最後に、コリの段階を考えてみましょう。
第1段階 コリがない
↓ ↑
第2段階 コリを感じる
↓ ↑
第3段階 コリが痛みやシビレとなっている
↓ ↑
第4段階 コリを感じない
コリは、第1段階から第4段階へと進行していきます。
そして逆に、コリは第4段階から第1段階へと解消していくことになります。
したがって、コリが解消されていく過程で、第4段階から第3段階や第2段階へと移った時に、痛みやシビレやコリを感じ始めるということがあります。
これを悪くなったと勘違いしていまう人もいらっしゃるのですが、こうした現象は、リバウンドとか瞑眩とか呼ばれており、専門家の間ではよく知られていることです。