根本療法(原因療法)と対症療法
力学整体では、病気とか矯正治療というものを考えるときには、『根本療法』を中心に考えています。
いったん発病した場合は、症状をそれ以上進行させないようにすることは、当然、必要なことです。
しかし、同時に、「疾病の予防」と「健康の増進」に関して、根本的な対策とか手段を講じておくことが大切です。
そうでないと、目の前の症状がとりあえず軽快したように見えても、対症療法的な方法では病気の根源にある原因が取り除かれていないために、後日になって、再発したり、あるいは他の疾病が発現してしまう恐れがあるからです。
ですから、いかに現在の薬物や対症療法が発達したとはいえ、それだけでは不十分なのであり、真の健康は得がたいのです。
症状を取り除くだけでなく、その病気の基にある原因を治し、その他の病気にもかからないような体をつくる根本療法こそが最も望ましいと、力学整体では考えています。
その方法として、まず第一に考えられるのが、人体の力学的な構造と機能による体質改善なのです。
毎日の生活をしている身体が、そのまま体の「入れ物」を作っており、そこからエネルギーを生み出すわけですから、生体の歪みを正すということは、直接に体を作り変えることにつながります。
つまり、現在の体を作っている組織とは質の違う、健全な働きができる組織に変えてしまい、目の前の病気に関する体質改善だけでなく、さらに身心共に真の健康度を高める体質改善ができるということなのです。
これの具体的な方法が、生体力学(バイオメカニクス)に基づく力学整体なのです。
根本療法(原因療法)と対症療法の比較
対 症 療 法 | 根 本 療 法 |
---|---|
目前の症状・治療が当面の目標 | 目前の症状・治療は2の次 |
他の症状は、軽快しにくい。場合によっては、他に症状が出ることがある | からだ全体の健康度が増進するので、他の症状も同時に軽快する |
副作用がある | ほとんど副作用はないが、反応はある |
2つ以上の病気にかかり、それぞれの病気に関して相反する治療法が必要とされる場合には困る | 困らない |
再発しやすい | 再発しにくい |
診断が適確でないと、見当違いの治療となってしまう | 診断が適確でなくても、見当違いの治療にまではなりにくい |
目前の症状が軽快しても、他に症状が起こりにくくなるということはない | いろいろな症状が起こりにくくなる |
急性の症状には、有力である | 急性の症状には、遅いと感じられやすい |
感染症(特に、急性の場合)に有力 | 感染症には、非力と感じられやすい |
外傷や腫瘍などの局所的な症状には、即効性がある | 迂遠であると思われやすい |