症例6「頭痛」
[兵庫県] [60代] [女性]
主訴
頭痛
現病歴
ご主人に連れられて来所された時は、ほとんど頭の痛みに耐えるので精一杯という感じで、うつむいてふさぎ込んだまま、ろくに話もできない状態だった。
仕方がないので、本人ではなく、ご主人にいろいろと話を聞くことになってしまった。
これは、頭痛でも、ちょっと酷(ひど)いなと思った。
そして、よくなるまで時間がかかるだろうと・・・。
頭痛のほかに、肩こりがあり、さらに首に痛みがあった。特に、首の右側の痛みがひどいようだった。
おそらく、頭痛の直接の原因は、これだろうと判断した。
それ以外に、左手の手のひらにしびれ(痺れ・シビレ)があり、右膝にも痛みがあった。
治療歴
病院やハリにも行かれたようだが、どこへ行っても効果がなかったので、当所に来られたということであった。
検査
左脚が長い。
症状も右の首の痛みが激しいので、礒谷療法(礒谷式力学療法)の旧理論では、右側の首の痛みは左脚の症状ということになっており、さらに左の手のひらと右膝という右脚の症状もあり、左脚の症状が強いということで、礒谷療法(礒谷式力学療法)ではLO型とされる事例である。
しかし、力学整体の新理論では、股関節の角度のバランスをもっとも重視するので、まったく反対の脚型と判定する。
脚型
R型
経過
【初回】
R型で矯正し、座布団は9枚であった。体癖修正運動は、30回できた。
礒谷療法(礒谷式力学療法)の旧理論では、今回のような症例では、R型で矯正すると右側の首の痛みは絶対に酷(ひど)くなるとされているので、R型と判定される礒谷療法師の先生はいないはずである。
【2回目】
頭痛が少し楽になったと言われた。
これには、驚いた。
実のところ、効果が出るとしても、1カ月くらいはかかるだろうと見ていたからだ。
たった1回の施術で、少しでも効果が現れるなんて予想もしていなかった。
座布団8枚、体癖修正運動50回。
【3回目】
ご飯(ごはん)が食べられるようになったと報告された。
頭が痛くて、ご飯もろくに食べられない状態だったようだ。
少しずつ良くなっているということだった。
座布団7枚、体癖修正運動70回。
【4回目】
左脚が、右脚と同じように、くの字型になった。
座布団7枚、体癖修正運動64回。
【5回目】
頭痛が3割くらい楽になったということだった。
座布団7枚、体癖修正運動73回。
【6回目】
頭痛が3割くらい楽になったということだった。
座布団7枚、体癖修正運動73回。
【7回目】
随分良くなったので、まだ続けて通所しなければいけないかと相談を受ける。
間隔を空けて、もうしばらく通所するように指導する。
座布団7枚、体癖修正運動76回。
【8回目】
座布団6枚、体癖修正運動60回。
これ以降、来所されていない。
これは、良くなったのだと考えていいだろう。
今回、このようなかたちで頑固な頭痛が早く快方へ向かうとは予期していなかった。
来所された当初は、頭が痛くて話もろくにできない状態だったが、次第に、しかめていた顔がゆるんできて、笑顔をみせるようになって、後半には、世間話もされるようになっていた。