症例7「背痛・腰痛」
[兵庫県] [30代] [男性]
主訴
背痛、腰痛
現病歴
腰痛(特に右側)
肩、背中、腰、臀部、脚というふうに、体の右側(右半身)ばかりが痛む。
治療歴
接骨院(整骨院)などで、マッサージ等を受けられていたが、効果が余り芳(かんば)しくなかったので、当研究所に来所されたものである。
検査
左脚が長く、両股関節ともに前方転位をしていた。
骨盤の上縁(腸骨稜)と坐骨ともに右側上がりで、膝倒しの検査でも左倒しがやりずらかった。
これは、症状とも一致している。
これらによって、右短縮(右半身の体縮)を起こしているのが原因であるのは明らかである。
礒谷療法(礒谷式力学療法)の旧理論では、本症例の場合、右側の腰から上の症状は左脚の症状で、右側の臀部から下の症状は右脚の症状だと考えるが、力学整体の新理論では、そのようには考えない。
脚型
LO型
経過
【初回】
非常に逞しい体格をされており、このような立派な体格をされていても、こうした症状で悩まされるということは、筋肉を鍛えるということと、筋肉のバランスをとるということは、まったく別の事柄なのだと思わざるを得ない。
まだ若く、日頃から運動をして鍛えているのに、座布団は10枚にもなった。
体癖修正運動30回。
【2回目】
座布団9枚、体癖修正運動200回。
【3回目】
座布団を8枚にしたら、少々きつかったようである。そのため、腰が痛くなった。
このような場合、矯正の途中でも、きつくなってきたら我慢をせず、すぐに矯正がきつい旨を申し出なければならない。力学整体の矯正は、我慢くらべではない。できるだけ、気持ちいい状態で受けていただくのがいいのである。それを、時々、きついのを我慢すれば、早く良くなるのではないかと誤解をしている人がいる。きついかどうかは本人が一番よくわかることなので、きつければ無理をせず、すみやかに申し出て、楽な状態にしてもらうようにすべきであると伝えておいた。
体癖修正運動300回。
【4回目】
座布団を9枚に戻したが、前回ほどでないにしろ、矯正時に右腰部がだるくなる。まだ、体が良くなっていない証拠である。
体癖修正運動400回。
【5回目】
かなり良くなったようだが、仕事で重い物を持って、腰を痛めて来所する。
座布団9枚、体癖修正運動500回。
【6回目】
せっかく前回の矯正で良くなっていたのに、綱引きで、また腰を痛めて来所される。
座布団9枚、体癖修正運動600回。
【7回目】
今回の来所は、20日ぶりである。これまでは、最初の頃は1週間に1回で、それから10日に1回になって、前回まではそれくらいの間隔で来所されていた。
今回は、どこも悪いところはないのだが、念のために体の手入れのために来所したと言われる。
座布団8枚、体癖修正運動15分。
当初から、症状を考えると、もっと時間がかかるのではないかと思っていたが、1カ月ちょっとで良くなってしまった。
これも、例外であろう。
その後、本人は来所しておられないが、ご自分が良くなったので、知人を紹介してくださっている。