選択理論心理学と現実療法(リアリティセラピー)関連本
- ジム・ロイ (著), 柿谷正期 (翻訳)『ウイリアム・グラッサー~選択理論への歩み~』(アチーブメント出版)
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おすすめ度:★★★★
ウイリアム・グラッサー氏の伝記が出版されたことを知って遂に出たかとすぐに本書を購入して読むことにしました。
私はウイリアム・グラッサー氏の「リアリティセラピー(現実療法)」と「選択理論心理学」に興味を持ち続けていて、それらを生み出したウイリアム・グラッサーという人物にも関心を持っていました。
本書は、著者であるジム・ロイ氏が5年間にわたってウイリアム・グラッサー氏からインタビューを聞き取り、さらに過去の著作物を調べて伝記化したものということです。
本書は私がまさに知りたかったウイリアム・グラッサー氏の学問的な足跡と私的な生活を含めた生涯が書かれていました。
ウイリアム・グラッサー氏は、学問的にはリアリティセラピー(現実療法)からコントロール理論、選択理論、そして医療問題から公衆衛生問題としてのメンタルヘルス(精神衛生)へと変遷をたどっていることを知ることできました。
特に、選択理論に大きな影響のあったウイリアム・パワーズの「知覚のコントロール理論」の存在は本書によって初めて知りました。
選択理論心理学は個人心理学(アドラー心理学)と類似点が多く、個人心理学(アドラー心理学)の理解を深めるのにも役立つ内容を持っています。
次に本書では、セルフコントロールについて考えるうえで重要な行動の4つの要素である「行為」「思考」「感情」「生理反応」を選択理論でよく使われる車の車輪に例えて説明しています。
それから本書では、選択理論心理学の「愛と所属の欲求」「力と価値の欲求」「自由の欲求」「楽しみの欲求」「生存の欲求」という5種類の人間の基本的欲求を説明しています。
また本書では、選択理論心理学の「上質世界」について説明しています。
本書の後半では、選択理論をどのように人間関係や人生に活用していくかその実践について説明しています。
選択理論におけるストレスは願望と現実のギャップであるとする捉え方は独自性があり興味深いです。
また、外的コントロールを使用する相手への対応の仕方として著者独自の「スルー力」という言葉も面白いです。
選択理論心理学は、心理的問題を抱えている人や精神的障害のある人だけでなく、一般人が良好な人間関係を築いて自分を健全にコントロールするうえで非常に役立つものです。
ですから、人間関係や自己コントロールに関心のある方にはぜひ選択理論を学ぶことをおすすめしたいです。
そういう意味から、本書は最初に読むべき選択理論の入門書として推薦したいと思います。
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- ウィリアム・グラッサー (著), 真行寺 功 (翻訳) 『現実療法―精神医学への新しいアプローチ』(サイマル出版会、サイマル双書)
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おすすめ度:★★★★★
ウィリアム・グラッサー氏の「選択理論」を知ってから、その精神療法と心理療法へのアプローチである「現実療法(リアリティ・セラピー)」にも興味を持つようになりました。
そこで「現実療法(リアリティ・セラピー)」のことを知ろうと本書を読むことにしました。
本書を読み始めてまず驚かされたことにうつ病や神経症、精神病は存在しないと言い切っていることです。
精神病というものは当たり前に存在する病気であってそれが常識だと思っていた私は、精神病が存在しないなどと考えたこともありませんでした。
ウィリアム・グラッサー氏によれば、人間は現実の世界で欲求充足している存在であって、もし現実の世界で欲求充足できないと、現実を否定して嘘(虚構・空想・幻想)の世界で欲求充足するようになるというのです。
そして、嘘(虚構・空想・幻想)の世界で欲求充足するようになった人間を精神病という病名でレッテルを貼っているだけなのだというのです。
ウィリアム・グラッサー氏によれば、欲求の中で最も重要なものは「愛される」ということと「認められる」ことの2つであるとのことです。
嘘(虚構・空想・幻想)の世界で欲求充足して生きている人間に共通する特徴として現実に対する責任性の欠如があるというのです。
確かに、精神病者とされている人や犯罪者・非行者(不良少年・少女)などには、自分の世界に生きており無責任な言動が共通して目立ちます。
現実療法(リアリティ・セラピー)の治療では、患者本人を現実に戻して責任性をもたせるように患者個人にかかわっていくという技法を取ります。
また、現実療法(リアリティ・セラピー)は精神分析に代表される伝統的な精神療法を否定しています。
専門の精神分析医から無意識の抑圧や過去の心的外傷を暴き出しても治療効果はないというのです。
それどころか、患者を病者とみなして自分に対して無責任にしてしまうので逆効果であるとさえいっています。
これに関しては、私自身も精神分析関連の本を読んだとき、患者が自分の抑圧された葛藤を知ったとしてもそれだけで治るものだとうかという疑問をもったことがあるので頷けます。
現実療法(リアリティ・セラピー)の対象となるのは、うつ病や神経症、精神病とされる患者だけでなく犯罪者や非行者(不良少年・少女)、学校教育における学生・生徒・児童と広範囲に及びます。
心理学や精神療法に興味のある私としては非常に啓発されるところがあった本です。
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- 渡辺 奈都子 (著)『人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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おすすめ度:★★★★
本書は、ウイリアム・グラッサー氏の「選択理論心理学」を一般の読者にも理解しやすいように解説した日本初の入門書です。
これまで「選択理論」に関する文献のほとんどはウイリアム・グラッサー氏の著作の翻訳しかなく、一般人向けの適当な入門書はありませんでした。
ですから、ウイリアム・グラッサー氏の「選択理論心理学」を学ぼうとする場合、本書はまず一番最初に読むべき本ということになります。
著者の渡辺奈都子氏は日本選択理論心理学会認定の選択理論心理士と米国ウイリアムグラッサー協会認定のプラクティカムスーパーバイザーということで、夫とともに新栄カウンセリングセンターを開設し、選択理論とリアリティセラピーを用いてカウンセリングやマネジメント等の研修を行っているという人物です。
本書の前半では、外的コントロール心理学のもとに生活している島の住人と選択理論心理学に従って生活をしている島の住人と対比することで、人間関係の在り方を決める違いを解説しています。
これは個人心理学(アドラー心理学)では縦の関係と横の関係や課題の分離、アービンジャー・インスティチュートの「自分の小さな箱」に相当するものと言えます。
選択理論心理学は個人心理学(アドラー心理学)と類似点が多く、個人心理学(アドラー心理学)の理解を深めるのにも役立つ内容を持っています。
次に本書では、セルフコントロールについて考えるうえで重要な行動の4つの要素である「行為」「思考」「感情」「生理反応」を選択理論でよく使われる車の車輪に例えて説明しています。
それから本書では、選択理論心理学の「愛と所属の欲求」「力と価値の欲求」「自由の欲求」「楽しみの欲求」「生存の欲求」という5種類の人間の基本的欲求を説明しています。
また本書では、選択理論心理学の「上質世界」について説明しています。
本書の後半では、選択理論をどのように人間関係や人生に活用していくかその実践について説明しています。
選択理論におけるストレスは願望と現実のギャップであるとする捉え方は独自性があり興味深いです。
また、外的コントロールを使用する相手への対応の仕方として著者独自の「スルー力」という言葉も面白いです。
選択理論心理学は、心理的問題を抱えている人や精神的障害のある人だけでなく、一般人が良好な人間関係を築いて自分を健全にコントロールするうえで非常に役立つものです。
ですから、人間関係や自己コントロールに関心のある方にはぜひ選択理論を学ぶことをおすすめしたいです。
そういう意味から、本書は最初に読むべき選択理論の入門書として推薦したいと思います。
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- ウイリアム グラッサー (著), カーリーン グラッサー (著), William Glasser (原著), Carleen Glasser (原著), 柿谷 正期 (翻訳)『人生が変わる魔法の言葉―親と子・夫と妻・恋人たちのMiracle Words』(アチーブメント出版)
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おすすめ度:★★★
本書は、ウイリアム グラッサー氏の「選択理論」を日常生活の中でどよような内容の会話をすれば良いかその具体例を紹介しています。
掲載されている会話文は「外的コントロール」にもとづくものと、「選択理論」にもとづくものを併記し両者を比較対照することによってより理解しやすいようになっています。
掲載されている会話例はそれほど多くな一気に読めてしまうボリュームでした。
私は『グラッサー博士の選択理論』を読み、選択理論に興味を持ったので本書も読んでみることにしました。
確かに日常会話の参考にはなりますが、本書に掲載されている会話例だけでは日常生活に活用できない気がします。
あくまで選択理論にもとづく会話の参考になる程度といった内容です。
掲載されている会話の例文の中にはどうも主題とは合っていないものもありどうも納得できかねるところもありました。
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- 青木 仁志 (著), 柿谷 正期 (監修) 『人生を楽しく幸福に生きる法』(アチーブメント出版)
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おすすめ度:★★★
本書は、ウィリアム・グラッサー博士の「選択理論」をもとに著者の経験を加味して人間関係のあり方を図解入りの見開き2ページで解説したものです。
人間関係の基本から、職場、パートナー、子供などの具体的な人間関係についても言及しています。
人間関係の実用書とも言える内容で「選択理論」の具体的な応用を知るのには参考になるところも多いです。
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