禅関連本
- 枡野 俊明 (著) 『心配事の9割は起こらない: 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』(三笠書房)
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おすすめ度:★★★
本書は花谷博幸氏が禅関係の本として枡野俊明氏の本ならこれ1冊を読めば良いと紹介していたのを見て、以前から著者の本を見かけることが多かったこともあって、これを機に読んでみる気になりました。
著者の枡野俊明氏は曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授という肩書きを持っている人物です。
本書は、禅僧である枡野俊明氏氏が禅の教えを背景に一般人を対象に人生や生活、仕事や人間関係などの問題に関して考えるヒントを与えてくれる人生訓や処世術になっています。
1つの心配事に関して比較的短い文章で禅の教えによるヒントを綴ったコラムやエッセイになっていて軽い読み物になっています。
本書の性格上内容的には浅くすっきりしないところはあるものの、考え方や生き方を指南しているところは読者に気づきを与えてくれるものにはなっていると思います。
読者によって参考になる項目は違うでしょうけれど、気軽に読める考え方や生き方のヒント集として活用できると思います。
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- ネルケ無方 (著) 『裸の坊様』(サンガ、サンガ新書)
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おすすめ度:★★★★
ネルケ無方氏の本を読むのは本書で3冊目になります。
『迷える者の禅修行』では、ネルケ無方の禅との出合いから日本での禅修行の遍歴まで禅修行の半生記が書かれていました。
本書では、ネルケ無方が堂頭(住職)を勤めている安泰寺での修行生活を中心に書かれています。
安泰寺では農作業などで自給自足しならが修行道場として活動している様子がさながら実況中継のように報告されています。
ネルケ無方氏は修行僧でありながら妻帯し家庭をも持っておられます。
本書ではなぜ妻帯したのかその理由も説明されています。
また、修行と家庭の両立の問題に関しても正直に告白されています。
本書の前半では、禅とキリスト教についてネルケ無方氏なりの考察がなされています。
本書の最後では、安泰寺の五代目の堂頭(住職)であった澤木興道老師への批判が書かれてあります。
澤木興道老師が日露戦争へ行ったことは私も知っていました。参加の第二次世界大戦における
澤木興道老師の弟子たちは第二次世界大戦で太平洋戦争へ行ったとのことです。
澤木興道老師は戦争へ行って人を殺すことについて講話で話された内容が記録として残っているようです。
ネルケ無方氏は澤木興道老師のその言葉を取り上げて批判しています。
このネルケ無方氏の批判が正しいのかどうか、またたとえ正しいとしても当時の時代背景や時代状況を知らない者が当時の人物の時代状況の中での発言を批判することが妥当かどうかなどの問題はあろうかと思います。
人間である以上、他者の誰からも批判されないような言動だけで生きれる人物は誰もいないとは思います。
それは最後の禅僧とまで呼ばれた澤木興道老師でさえ例外ではないと思います。
そして澤木興道老師を批判しているネルケ無方氏でも同様だと思います。
そういう意味からは、わざわざ澤木興道老師の発言を批判しなくても、ネルケ無方氏が言いたいことは書けたのではないかという批判自体の是非の問題もあるかと思います。
私にとっては尊敬する澤木興道老師への批判だっただけにこの批判は印象深く残りました。
本書は、自給自足の生活集団である安泰寺での修行風景や日常生活を知るには最適な読み物だと思います。
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