ネルケ無方関連本
- ネルケ無方 (著) 『裸の坊様』(サンガ、サンガ新書)
-
おすすめ度:★★★★
ネルケ無方氏の本を読むのは本書で3冊目になります。
『迷える者の禅修行』では、ネルケ無方の禅との出合いから日本での禅修行の遍歴まで禅修行の半生記が書かれていました。
本書では、ネルケ無方が堂頭(住職)を勤めている安泰寺での修行生活を中心に書かれています。
安泰寺では農作業などで自給自足しならが修行道場として活動している様子がさながら実況中継のように報告されています。
ネルケ無方氏は修行僧でありながら妻帯し家庭をも持っておられます。
本書ではなぜ妻帯したのかその理由も説明されています。
また、修行と家庭の両立の問題に関しても正直に告白されています。
本書の前半では、禅とキリスト教についてネルケ無方氏なりの考察がなされています。
本書の最後では、安泰寺の五代目の堂頭(住職)であった澤木興道老師への批判が書かれてあります。
澤木興道老師が日露戦争へ行ったことは私も知っていました。参加の第二次世界大戦における
澤木興道老師の弟子たちは第二次世界大戦で太平洋戦争へ行ったとのことです。
澤木興道老師は戦争へ行って人を殺すことについて講話で話された内容が記録として残っているようです。
ネルケ無方氏は澤木興道老師のその言葉を取り上げて批判しています。
このネルケ無方氏の批判が正しいのかどうか、またたとえ正しいとしても当時の時代背景や時代状況を知らない者が当時の人物の時代状況の中での発言を批判することが妥当かどうかなどの問題はあろうかと思います。
人間である以上、他者の誰からも批判されないような言動だけで生きれる人物は誰もいないとは思います。
それは最後の禅僧とまで呼ばれた澤木興道老師でさえ例外ではないと思います。
そして澤木興道老師を批判しているネルケ無方氏でも同様だと思います。
そういう意味からは、わざわざ澤木興道老師の発言を批判しなくても、ネルケ無方氏が言いたいことは書けたのではないかという批判自体の是非の問題もあるかと思います。
私にとっては尊敬する澤木興道老師への批判だっただけにこの批判は印象深く残りました。
本書は、自給自足の生活集団である安泰寺での修行風景や日常生活を知るには最適な読み物だと思います。
Amazonで購入する
楽天ブックスで購入する
紀伊國屋書店ウェブストアで購入する
セブンネットショッピングで購入する
楽天市場で探す
Yahoo!ショッピングで探す
ヤフオク!で探す