外国文学関連本
- アレクサンドル デュマ (著), Alexandre Dumas (原著), 山内 義雄 (翻訳) 『モンテ・クリスト伯』 (岩波書店、岩波文庫)
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おすすめ度:★★★★★
私にとってこの『モンテ・クリスト伯』という海外小説は高校生時代に読んでからずっと忘れられない小説となっています。
というのも、この小説の最後の書かれていた二つの言葉(文章)がその後の私を支えてくれることになったからです。
『モンテ・クリスト伯』は「岩窟王」という邦題で翻訳されていたので、「岩窟王」というタイトルでご存知の方も多いでしょう。
物語は、結婚を目前に控え幸福の絶頂にいた主人公が、友人に裏切られ、その結果、その他の人々によっても陥れられ、無実の罪で14年間も牢獄に閉じ込められることになってしまうのです。
人生に絶望した主人公は、その牢獄の中である人物と出会うことによって救われることになります。
そして、主人公はとうとう脱獄することに成功するのです。
脱獄後、主人公は莫大な財宝を手にすることになります。
莫大な財宝を手にした主人公は、自分を陥れた者達に復讐をするためパリの社交界に登場することになります。
その社交界で主人公は緻密な計画のもとに復讐を実行してゆくのです。
『モンテ・クリスト伯』は物語の内容から、非常に面白く読むことのできるエンターテインメント小説です。
長編小説なのですが、物語の面白さから最後までハラハラドキドキしながら楽しんで読むこととができます。
しかし、私にとって忘れらない小説となったのは、物語の面白さではありません。
小説の中には、絶望のどん底にたたき落とされて自殺を図った主人公をはじめ、主人公以外の登場人物でも自殺寸前にまで追い込まれる人物などが登場します。
特に、その登場人物が自殺寸前で自殺せずに済む場面も私にとっては重要でした。
この小説は、人生において絶対絶命の状況に追い込まれたときの問題が主題としてあるのではないでしょうか。
私たちは時に人生において人は絶望の淵を垣間見ることがあります。
そのとき、人はどうすればいいのか、この小説はその問題を重要な題材として扱っています。
人類の叡智は次の二つ言葉に集約されると、小説の最後に二つの言葉が書かれています。
この小説を読んだ高校時代以降、私も人生において苦しいことの連続でしたが、この小説の二つの言葉が時に私を支えてくれました。
私の心の支えとなってくれた小説という意味で、私にとっては忘れられない小説となっています。
この小説をまだ読んだことのない人にはぜひおすすめしたい一冊です。
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- テリー・ケイ (著), 兼武 進 『白い犬とワルツを』 (新潮社、新潮文庫)
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おすすめ度:★★★
私は、この本のことをテレビの番組で紹介しているのを見て知りました。
この本は最初に単行本として出版されたときには売れなかったといいます。
それが、出版されてから何年も経過して売れ始めたというのです。
きっかけは本屋さんの店員さんだったそうです。
この本を読んで感動したその人は他の人にもこの本の存在を知ってもらおうと自分のお店で手書きで紹介したカードを置いたところ、急にこの本が売れ出したというのです。
それに注目した出版社がその人の手書きの紹介文を印刷して全国の本屋さんにも置いてもらうようにしたそうです。
それから、この本が全国的に買われるようになったといいます。
こういう現象は出版界でもはじめてのことだそうです。
それで、私も読んでみる気になりました。
物語は、ある老人が長年連れ添った妻を亡くするところから始まります。
そして、愛する妻を亡くした老人の前に一匹の不思議な白い犬があらわれるようになります。
この白い犬の姿をその老人以外は見ることができません。
それが、とうとう他の人にも見えるようになる瞬間がやって来ます。
この小説は、年老いるということをさわやかに書かれた大人の童話です。
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