川井筋系帯療法関連本
- 川井 太郎 (著) 『腰痛・股関節痛・足のしびれが消える「骨盤ゆらし」』(マキノ出版、ビタミン文庫)
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おすすめ度:★★★
著者は川井筋系帯療法治療センター二代目院長の川井太郎氏です。
本書は川井太郎氏が川井筋系帯療法に関して初めて出された本ということで川井太郎氏の主著であり最近の川井筋系帯療法を代表する教科書的な書籍ではないかと思われました。
それで私も川井筋系帯療法において過去のものと何か変わったところがあるならこの本に書かれているのではないかと興味を持ちました。
本書ではまず痛みやしびれなどの原因は体のゆがみにあるとし、その体のゆがみの原因は筋肉の緊張にあるとしています。
なので、この筋肉の緊張をゆるめることで体のゆがみを正し痛みやしびれを取ることができるとしています。
したがって、川井筋系帯療法では筋肉をゆるめることが最重要事項となっています。
この点は力学整体でも同様の考え方をしているので共感をおぼえました。
そして、川井筋系帯療法では筋肉をゆるめる手段・方法として「骨盤ゆらゆら体操」を紹介しています。
本書で紹介している「骨盤ゆらゆら体操」の基本編の内容は礒谷式力学療法(礒谷療法)の施術法のひとつである「股関節矯正法」と自宅矯正法のひとつである「膝引き・ひざ抱え運動」と同じものです。
礒谷式力学療法(礒谷療法)の「膝引き・ひざ抱え運動」を新しく「骨盤ゆらゆら体操」と名付けているところにネーミングのセンスの良さが感じられ命名が上手いなあと感心させられました。
ただ、残念なことに股関節の角度を考慮することなく一律に行うようになっています。
礒谷式力学療法(礒谷療法)や力学整体ではこれらの矯正法を行う場合、必ず股関節での大腿骨の角度の転位(ズレ)を調べてから本人の合った角度で行うように施術と指導をしています。
もし、本人に合っていない股関節の角度でこれらを行った場合、体のゆがみや、痛み・しびれなどの症状が悪化するおそれがあるからです。
それなのに、本書の川井筋系帯療法では股関節の角度が考慮されていません。
これは大変残念なことです。
また、なぜ「骨盤ゆらゆら体操」で骨盤周囲の筋肉がゆるむのかその理由付けが不足していて理論的な面で弱いです。
次に、「骨盤ゆらゆら体操」の応用編が紹介されています。
「骨盤ゆらゆら体操」の応用編が紹介されている体操は礒谷式力学療法(礒谷療法)のものではありません。
「骨盤ゆらゆら体操」の応用編が紹介されている体操は手足などの四肢と体幹の体操になっているので、正確には「ゆらゆら体操」にはなっていても厳密には「骨盤ゆらゆら体操」にはなっていません。
「骨盤ゆらゆら体操」の応用編の体操は手足などや四肢と体幹を動かして体をゆらゆら振動させる内容となっています。
この「骨盤ゆらゆら体操」の応用編の中で応用編①の足の指先を動かし足首を回す動きには問題があるかもしれません。
本書で紹介されている「骨盤ゆらゆら体操」の内容では個人に合った股関節の角度で行うわけではないのでその効果に個人差が生じるのではないかと思われます。
したがって、「骨盤ゆらゆら体操」を行うのであれば、礒谷療法師か力学整体師に股関節の角度を判定してもらってからのほうが無難だと思います。
本書は川井筋系帯療法の一部だけが取り上げられて説明されているだけで川井筋系帯療法の全体は説明されてはいません。
ただ、本書の内容から類推するに「骨盤ゆらゆら体操」は川井筋系帯療法の施術やセルフケアの中でも最も重要視されていることがうかがえます。
本書は川井筋系帯療法のことがわかる代表的な教科書ではないので川井筋系帯療法のことを知りたい方には別途他の書籍を読む必要があります。
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- 川井 太郎 (著) 『腰痛が治るのはどっち?』(学研パブリッシング)
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おすすめ度:★★★★
川井筋系帯療法は礒谷公良氏の礒谷式力学療法(礒谷療法)をメインにしてそれに橋本敬三氏の操体法をサブとしてそれらを組み合わせた施術になっていると聞き及んでいます。
川井筋系帯療法が礒谷式力学療法(礒谷療法)と操体法を取り入れていることを知ってから、私自身は川井武雄氏の『病気の体は歪んでいる―安全・無痛・快適に治る「筋系帯療法」のすべて』という本に目を通したものの川井筋系帯療法に関しては興味や関心を失ってしまいました。
その後、川井筋系帯療法治療センターへ行ったことのある何人かの患者さんからも川井筋系帯療法のお話を聞く機会はありました。
最近になって来院されるようになった会員さんの付き添いで一緒に来られる息子さんがやはり川井筋系帯療法治療センターへ通院していたことがあるという話を聞きました。
私が川井筋系帯療法の存在を知ってから25年くらいは経過していることもあって、川井筋系帯療法も当時と何か変化したことがあるかもしれないと思うようになりました。
また、川井筋系帯療法治療センターの総院長も代替わりしていたことも知って、ものすごく久しぶりに川井筋系帯療法の本を読んでみようかという気になりました。
最初は川井筋系帯療法治療センターの二代目院長となった川井太郎氏の『腰痛・股関節痛・足のしびれが消える「骨盤ゆらし」』から読み始めようかなと思っていました。
ところが、川井太郎氏の『腰痛が治るのはどっち?』という本が1円で販売されているのを偶然見かけてすぐに本書を購入したことから先に本書を読むことになりました。
本書は「腰痛が治るのはどっち?」と題して、腰痛にまつわる様々な疑問に川井太郎氏が回答していくという質問形式の構成になっています。
回答の中には川井筋系帯療法の立場から書かれてある内容の一部に関しては問題がある個所が見受けられます。
それでも、腰痛に関する質問は興味深いものがありましたし、回答も概ね標準的な内容になっていました。
腰痛の読み物としては面白い本になっています。
本書は腰痛読本として成功しているのではないかと思います。
腰痛に興味や関心のある人なら楽しく読めるはずです。
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